


アジサイ 仙台での撮影
二〇一二年、七月の終わり。友人たちと、仙台を旅していた。
紫陽花は梅雨の花のはずだが、東北の夏は遅く涼しいのだろう、青い手まりがまだ鮮やかに咲き残っていた。小さな花が寄り集まって咲くその姿は、「和気あいあい」という花言葉のとおり、あの日の俺たちに少しだけ似ていた。

泊まった旅館の裏手には、切り立った渓谷が口を開けていた。苔むした岩壁と、その間を縫う清流。頭上を覆う夏の緑が真昼の光をやわらかく濾して、川べりに下りて水音を聞いたあの時間は、今も涼しいまま記憶に残っている。

帰り際、今度は白い紫陽花に出会った。青が場所や条件で表情を変えるのに対して、白はどこまでも白い。移ろう色と、移ろわない色。あの夏に見た二つの紫陽花は、いつのまにか、あの旅そのものの色になった。

また、みんなで出かけたい。そう思わせてくれる場所が、俺にはいくつかある。仙台は、そのひとつだ。
Camera: SONY NEX-5N.


