


Sunrise at Surfers Paradise.

まだ暗いうちに目が覚めた。理由は特にない。ただ、外が妙に明るい気がした。
窓を開け、ベランダにでると、空が燃えていた。
太陽はまだ水平線の下にいる。それなのに、頭上の雲だけが先に赤く染まっていた。ピンクとも紫ともつかない色が空一面に広がり、海までその色を映している。日の出前の、ほんの数分だけ現れる空だ。

やがて色が変わる。赤が引いて、金が差してくる。水平線の雲の切れ間から光が漏れ出した瞬間、空全体が一気に黄金色へ沈んだ。手前に立つノーフォークパインの影が、その光の中で急に濃くなる。
そして太陽が雲を越える。

ここまで、たぶん二十分ほど。同じ場所に立ち、同じ方角を見ていただけなのに、空は三度まったく別の顔を見せた。写真を撮るとは、こういう時間を切り取り分けて手元に残す作業なのだと思う。
知らない土地で朝を迎える。あの頃はそれが当たり前だった。今こうして見返すと、光よりも先に、あの朝の空気の温度を思い出す。
SONY NEX-5N


